雨の日の800メートル

 

朝起きると薄暗かったので、早起きしちゃった〜と思っていたら、雨が降っていて暗いだけだった。

朝9時30分起床。

 

雨の日は嫌な気持ちにならないくらいの距離(大体800メートル)を歩いて、

後は家に篭る。

 

恋人が家を出るタイミングで一緒に外に出て、バス停まで着いていく。これで250メートルくらい。

休日の昼間はバスが中々来なかったので、私がバスの真似で「プシュー」と口から音を出してふざけたりする。恋人が結構笑ってくれて嬉しかった。

バスが来たのでバイバーイとお互い手を振り、私は図書館に向かう。

雨は強くないけど、スニーカーを通してじわじわと靴下を濡らしてきた。

飲食店のバイトで使っていた一番安いナイキのスニーカー残しててよかったと雨の日が来るたびに思う。

 

図書館に着いた。700メートルくらい。

休日の図書館はいつも混んでいるけど、今日は雨で寒いからか人がとても少なかった。

人の少ない図書館は、みんながコソコソ話をしているみたいでとてもいい。

本を返却して、気になっていた本を何冊か手に取り、机が斜めになって本が読みやすくなっている席に座って読んだ。

そのうちの一冊が、Twitterでフォローしている大木芙沙子さんのふくらはぎという作品で、とても面白かった。

家に帰る道中、ふくらはぎ、のことを思いながら歩かずにはいられなかった。

 

家に帰り着いて、1300メートルくらい。

ちまちまこの日記を書きながらグーグルマップで調べてみると、今日は1300メートル歩いていた。

私の体感の800メートルは、実際には1300メートルらしかった。

雨の日の歩いても嫌にならない距離は今日をもって1300メートルに更新された。

 

そして、作業をしながら(自分でも言ってしまってるけど、誰かが「作業」という言葉を使うと、「作業」って一体何をしているのか結構気になる)、朝淹れた残りのほうじ茶を飲み、六花亭のレーズンバターサンドを食べた。

レーズンバターサンドは先週九州の実家に帰った時にもらったものだ。

県を跨いだ遠出の旅行は全くと言っていいほどしない家族だが、車で40分のデパートにはよく遊びに行くらしく、そこの9階で開催される期間限定地域フェアでご飯のおかずやらお菓子やらを買うようだ。

かくして、九州に帰って、北海道のお菓子をもらうという構図が出来上がる(北海道の食べ物をもらう割合から、期間限定地域フェアの8割は北海道じゃないかと疑っている(が、北海道って美味しいもの多いですもんね、と主催者の人に対しては思う))。

北海道、一度行ってみたい。

 

レーズンバターサンドとほうじ茶はとってもおいしかった。

雨の日はちょっと歩いて、暖かいものと甘いものを食べて、さっさと寝るのがいいですねえ。

初心、帰り。

 

 

卵焼きの端っこ

100均で買った小さいフライパンで無理やり卵焼きを作ってみた。

形は不恰好だったけど、まあ100均の小さなフライパンで作ったにしては上手いだろうと思った。私の生活には「〜にしてはいいだろう」が多すぎだなと思いながら、まあいいかと思った。

思ってばかりだけど今日は家に1人なので声に出すわけにもいかない。

焼けた卵焼きの端っこを切って味見したら塩加減がちょうどよく美味しかった。いつもは味を濃ゆくしすぎてしまう。

ひとりご飯だけど卵焼きの端っこを切って、なんとなく綺麗にお皿に盛り付けるといい気持ちになった。

前に実家に帰った時に、お母さんが太巻きを作っていて(なんで太巻きなんか作っていたのか分からない、実家に住んでいた時に太巻きなんて出てきたことなかったのに)、それを私はキッチンのカウンターから眺めながら「そういえば、村上春樹の本に『それにしてもどうして女の人はあんなに太巻きの端っこが好きなんですかね』って書いてあったな」と言うと、お母さんは、「あら、お母さんも太巻きの端っこ大好きよ」と言って、出来上がった太巻きの端っこを口に入れてもぐもぐ食べた。

太巻きを飲み込み終わった後に、「〇〇、村上春樹の本なんて読むの?お母さん村上春樹は好きじゃない」と、母親に結構嫌そうな顔をされた。「村上春樹の本はおもしろいんだよ」と一応言い返すと、「お母さんは嫌いよ〜」と更に言い返された。その間に太巻きは綺麗に大皿に盛り付けられていった。

なんで端っこのものって惹かれるんですかね。

高速バス

 

貝取りしてる人たちが、カンガルーのブランドのロゴだった。

 

高速道路の進行方向・逆方向、それぞれに違う文字が見えるタイプの看板の逆方向の方に「あなたは逆走」と書かれていて二人称だと思った。

 

遠くから遊園地を眺めるのは楽しい。今は雨だけど、あの動いてるジェットコースターには誰か乗っているのか。

 

←北・東トイレ 西トイレ→  の看板。

 

SAに犬が多い。白いチワワが一生懸命鳴いてるのはおもしろい。

 

不自然な自然が突然現れたらゴルフ場。

 

「12:45分にサービスエリア出発です。時間に来られなかった人がいる場合、先に出発することがありますがご了承下さい」が結構なこといっていておもしろい。

 

カーボーイハットを被った子供が、助走ありのジャンケンをしていた。

 

SAの女子トイレの数が開き直ってる数でいい。

 

トンネル入ったのに窓を少し開けてしまってた。

 

幼少にやっていたトンネル入ったら息止めるみたいなことをずっと引きずっている。

 

トンネルが思ったより長い。

 

ずっと暗い。

 

眠い。

 

睡眠

 

到着してた。

 

天気が悪すぎる。

 

記念に写真

 

〜〜〜〜

 

カーテン越しの電球のひかりは

月のひかりになって

紙の向こうの時間が流れだす

 

そこに私は1人

身を沈める

 

切り離されたこの島は

ささやかな風に乗って

遠くに、遠くに

流されていく

北風と太陽

土日は暑くて、外に出る必要のある用事を全て先送りにした。

 

涼しい部屋でごろごろしてたら、エアコンが1時間に1回切れるようになった。

調べると、フィルターの汚れが原因であることが多いらしい。

案の定フィルターが汚れていたのでお風呂場で掃除した。

ちょうど、身体を動かしたいなと思っていたのでいいタイミングだった。

 

埃で灰色になったフィルターにシャワーを当てると、たくさんの埃がシャワーの水と一緒に勢いよく排水溝のネットに絡まっていく。

洗い終わった透明でピカピカのフィルターを見て、先送りにした用事の分は取り返したなと満足した。

 

綺麗になったフィルターを取り付けると、これまでより明らかに威勢のいい涼しい風が吹き出してきた。

これでエアコン問題は解決だ。

エアコンが消える心配のない涼しい部屋での読書はたまらんねぇと、ごろごろを再開したら、一時間後にエアコンがぱったりと消えた。

 

この時期の修理、混んでそうだなあ。

 

 

土曜日の夜に「明日の朝はフレンチトーストを食べよう」という話になり、夜のうちにフレンチトーストの仕込みをした。

 

恋人が仕込みをしてくれるというので、ありがとう〜なんて思いながら呑気にフレンチトースト作りを眺めていた。

恋人は、卵のパックを冷蔵庫から取り出して、1個、2個、3個...と卵を割ってボウルに入れていく。4個目の卵に手をつけたところで、ちょっと待って!と反射的に口を出してしまった。

 

私は、ぷるんぷるんの半プリンのようなフレンチトーストが好きだ。

たっぷりの牛乳に1個の卵、これまたたっぷりの砂糖を入れた多めの原液に、食パンを入れてヒタヒタにする。もちろん原液は全て目分量だ。

この作り方で、ぷるんぷるんのフレンチトーストを作ることができる。

これに関しては、子供の頃から蓄積された思い出とともに、舌と脳に組み込まれた好みなので、どうしても変更ができない。

 

このことを恋人に伝えると、俺はどうしてもこれが作りたいと、ホテルオークラのフレンチトーストレシピが表示されたスマホを見せてきた。

そこには材料に卵6個と書かれていた。

たまごろっこ?!

卵6個なんて入れたら固くなって、出来損ないの甘い卵焼きみたいのができるに決まってる。

また、砂糖31グラムとも書かれていた。

さとうじゅういちぐらむ?!

1グラムの意味が分からないので、レシピそのものの信頼性もあやしい。

 

ということで、ホテルオークラのレシピには反対したのだが、どうしても譲れないテーマというものがあって、今回のフレンチトーストはお互いそれだった。

結局、半分ずつの量でお互い好みのフレンチトーストを作って食べ比べることになった。

 

翌朝、それぞれが仕込んだフレンチトーストを作って二人で食べた。

もちろんどちらも美味しかった。

フレンチトースト自体がどうやっても美味しいので、どの流派も美味しい。

 

そっちのフレンチトーストの方が美味しいかも。と言われたので、いや、そっちも美味しいよと返した。

北風と太陽である。

 

 

空想朝食

今日は午前中に胃カメラ検査の日なので朝食が食べられない。

休みの日に早起きをして、窓を開けて、家を出るまであと2時間もあるのに、朝食が食べられない。

朝刊を読んでいるのに、コーヒーも飲めない。

ないないづくしだ。

イングリッシュマフィンを軽く焼いて、目玉焼きとベーコンと少しのレタスにオーロラソースをかけて挟んだものが食べたい

たっぷりの温かいカフェオレと、バターとジャムを塗ったトーストが食べたい

伸ばして温めたあんこに焼いたお餅を入れてはふはふしたい

食パンをひたひたに浸したプルプルのフレンチトースト

出汁の効いた優しいお味のダルカレー

パリパリに焼いたソーセージと目玉焼きと高菜を乗っけたご飯

クリームチーズとハムときゅうりを挟んだサンドイッチ

手作りの梅ジャムをかけたヨーグルト

明太子とバターを乗せたご飯と具沢山のお味噌汁

ハムとチーズ、レタスとツナを挟んだホットサンドイッチ

蒸篭で蒸し直したふるふるの肉まんとあんまん

茹でた新じゃがをトースターで温めて、バターと塩をかけたほくほくのじゃがバター

完熟しきったバナナと牛乳だけで作った冷たくて甘いバナナジュース

炊き立てのご飯に卵と納豆とネギを乗せて、甘いお醤油と出汁をかけた卵かけ納豆ご飯

カリカリのベーコンとハチミツとブラックペッパーをかけた二段の厚いホットケーキ


が、食べたい。



昔から胃が定期的に悪くなる。

よく機嫌を損ねる大きいナマズのような生き物を身体の中で5匹くらい飼ってると思ってる。あまりにも突然苦しめてくるので、自分の器官の一部だと思いたくなくなった。

大きい5匹のナマズが狭い場所でぐねぐね上下左右に移動し合ってひっちゃかめっちゃかになると、薬を飲んで無理やり動きを鎮める。最近の暴れ方は目に余るものがあったので、直接どうなってるか確認しようじゃないかということで胃カメラの運びとなった。

朝は特にやりたい放題されているので、実際の朝食はヨーグルト半皿ぐらいしか食べることができていない。こうなるともうナマズを身体の中で飼っているというよりは、知らないうちに寄生されてしまったという方が正しい。

少しずつナマズたちと仲良くなって、朝から空想している美味しいご飯をもりもり食べたい。


渇文化

21:45

明日の夜ご飯の茶葉蛋の仕込みをする。

あつあつの煮汁を入れたのに、アルミの器に入れて持てないくらい入れ物が熱くなってしまったので、粗熱がとれるのを真面目に待つ。

普段はあまめに粗熱判定を下すので、熱伝導率が高い入れ物に入れて、粗熱がとれるまで器を持てなくするくらいがちょうどいいかもなとも思う。

殻につけたヒビの柄に煮汁が染みるらしく、明日の夜むくのがとても楽しみ。


何日か前の夜

豆花を作った。

沸騰直前の無調整豆乳にゼラチンを加え、よく混ぜて冷蔵庫で2時間ほど冷やした。

好きな食べ物がこんなに簡単にできるなんて!とうれしくなった。

温かい豆花が好きなので、茹でピーナツのシロップを鍋で温めてから豆花にかけたのだが、シロップがどんどん白濁していく。と、同時に豆花がどんどん小さくなっていく。

液体を冷やして固めたものに熱い汁をかけてまた液体にしていたらしい。

もう半分残っていた豆花を冷蔵庫からとりだして盛り付けしなおし、ぷりぷりの冷たくて美味しい豆花を食べた。


最近は台湾料理をよく作ったり、食べたりしていて、五香粉の曇りがかったスーっとした匂いを嗅ぐと食欲がそそられる。

畑を耕して、自分で食べる分は自分で作る自給自足の生活をしてみたいという気持ちが強くあるのだが、それにしては普段から多国籍の料理を作ったり、食べたことのない食材を買ってみたりと、食への好奇心が強すぎる。

自給自足目的だと自分に向いていなそうなので、台湾料理作ってみたい!」という好奇心の一種として、小さい畑を借りてみたいと思った。